「子は親の鏡」ドロシー・ロー・ノルト

あの有名な「子は親の鏡」を紹介します。
いろいろと難しい批判もあるのですが、
それも踏まえて、いいところを受け取れば、それでいいと思います。

詩 「子は親の鏡」 ドロシー・ロー・ノルト

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる

とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる

不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる

「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる

子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる

叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう

励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる

広い心で接すれば、キレる子にはならない

誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ

愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ

認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる

見つめてあげれば、子どもは、頑張りやになる

分かちあうことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ

親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る

子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ

やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ

守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ

和気あいあいとした家庭で育てば、

子どもは、この世はいいところだと思えるようになる

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解説部分から抜粋。

はじめに - 詩「子は親の鏡」の生い立ち ドロシー・ロー・ノルト

 詩「子は親の鏡」を書いたのは、1954年のことです。当時わたしは南カリフォルニアの新聞に、豊かな家庭生活についてのコラムを連載していました。わたしには、12歳の娘と9歳の息子がいました。地域の公開講座で家庭生活に関する講義を行い、保育園で子育て教室の主任を務めていました。後に、この詩が、世界中の人々に読まれることになるとは、まったく予想だにしていませんでした。

 わたしは、詩「子は親の鏡」で、当時の親御さんたちの悩みに答えたいと思っていました。どんな親になったらいいのか、その筈えをこの詩に託したのです。50年代のアメリカでは、子どもをきびしく叱ることが親の役目だと思われていました。子育てで大切なのは、子どもを導くことなのだと考える人はあまりいなかったのです。

 子どもは親を手本として育ちます。毎日の生活での親の姿こそが、子どもに最も影響力を持つのです。わたしは、詩「子は親の鏡」で、それを表現したかったのです。

 この詩は、長い間、様々な形で人々に親しまれてきました。アポットラボラトリー支社ロスプロダクツによって、詩の短縮版が病院で配布されました。そして、新しく親になる何百万人というお母さん、お父さんに読まれてきました。この詩はまた、10ヵ国語に翻訳されて世界中で出版されました。そして、子育て教室や教員セミナーのカリキュラムの一部として、教会や教室で使われてきました。この詩が、親御さんたちのよき道案内となり、励ましとなってくれればとわたしは願ってきました。わたしたち親は、子育てという、人生でいちばん大切な仕事に取り組んでいるのです。

「中略」

 わたしは、最終的に、この行を「親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る」と書き直しました。今の世の中では、常に正直であることは不可能でしょう。しかし、正直であることの大切さだけは、子どもに伝えなくてはならないのです。

 この本の冒頭には、詩「子は親の鏡」が掲げてあります。これは、このような経緯を経て完成した最新のものです。

「中略」

 子どもは、本当に日々親から学んでいます。そして、大人になったとき、それを人生の糧として生きていくのです。

子どもが育つ魔法の言葉 PHP文庫
ドロシー・ロー ノルト (著), レイチャル ハリス (著),
Dorothy Law Nolte (原著), Rachel Harris (原著), 石井 千春 (翻訳)
価格: ¥580 (税込)

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大切なことですね。
親・子→先生・生徒と読み替えれば、学校での指針になります。

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この考え方からは世代間連鎖の理論が派生します。「親がわたしをこのように育てたから、わたしも子供をこのように育ててしまう。仕方がない。」これはある種の決定論で、外部責任論です。

この詩で語っていることは、「子供のために、まず親が変わろう」ということです。子供のためになら変わることができるのではないでしょうか。

先日も、この子のためなら、わたしは強く生きると、語っていた人がいました。
わたしもこんな風に育てられたのだとも思ったものです。ありがたいことでした。

人間は、いいものです。