金融化とIT化

日本が金融とIT化に乗り遅れたというが、
そんなに大事なものだろうか。
まあ、当面、それしかないには違いないが。

お医者さんで言えば、
IT化で、仕事が煩わしくなった側面は大いにある。

お医者さんが患者さんに向かわず、
コンピュータに向かっている時間が増えた。
同じ操作を何度もしている。
コンピュータ入力をするクラークを雇う人もいるくらいだ。
秘密が大切な分野ではそれも難しいのだが。

事務処理は速くなったと思う。
しかし、その事務処理を任せる機械を買い、人を雇うことで、
かえって利益率は落ちている。

何かの事故があってコンピュータが動かないと、
何もできないことになる。

コンピュータはまだまだ脆弱な機械だと思う。

また、生活の中にどれだけITが入り込んでよいのかにも、
疑問を感じる。
家族が一緒にいるときに、
話もせずに、コンピュータに向かっているとしたら、
なんだか悲しい。

子供が、コンピュータに熱中しているとすれば、
あまり親としてはうれしくないところもある。

銀行がIT化して便利になった。
株がITで売買できるようになって、便利というか、簡単に損することができるようになった。

ホワイトカラーの生産性が向上して、
ホワイトカラーの首切りが進むようになった。

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金融業が何をしているのか。

日本が稼いだ外貨を、成長余力のある国に貸し付けて、
高い利息を取る、それを積極的にしていたらどうだっただろう。
財政投融資資金で日本国債を買わず、
中進国国債を積極的に買っていたら、どうなっていただろう。
土建屋に直接回す、生活保護的公共事業ではなく、
利息で回収して、それを国民に還元していたら、どうだっただろうか。

あるいは、利率だけで考えず、
次世代環境産業の育成に集中投資していたら、
どうだっただろう。

経済の成り行きとして、日本の1990年代、
稼いだ結果の預金がある、
これから働き手が少なくなる、
教育もうまくいっていない、
これらの条件を考えれば、
人間が働くのではなく、お金に稼いでもらうという考えは、当然だろうが、
それでいいのだろうか。

いや、現実にはそれに失敗して、
貯蓄は少なくなり、
若者には希望がなくなった。
一体どこに消えたのだろう。

資本主義だから資本に稼いでもらうとしても、
それでいいものなのか。

もともとアメリカのものをアメリカが再度取り返したということなのだろうか。

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資本は分配と集中を繰り返す。
それに乗れるかどうかで、サーフィンみたいなものだ。

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よく分からないが、
若者は、金の勘定をさっさと終えて、もっとましなことをしてほしい。
もっとましなことってなんですかと言われるとなかなか難問だが。
他人に迷惑をかけないだけの金の勘定も大切である。

ウォール街で金儲けすることに人生が本当にあるのだろうか。
いや、いややはり、あるのだろう。
ないとしても、他の場所にはもっとないのだろう。

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省資源、省エネルギー技術が次世代の儲けになるのだろうか。