4人に1人「治療必要」 引きこもり184人を調査

4人に1人「治療必要」 引きこもり184人を調査
2010年5月20日 提供:共同通信社
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 「引きこもり」に悩み精神保健福祉センターに相談に訪れた人のうち、16-35歳の184人について厚生労働省研究班が原因を調べたところ、ほぼ4分の1に当たる49人が統合失調症などの精神疾患と認められ「薬物療法などの治療が必要」と診断されたことが19日、分かった。

 厚労省は「『引きこもり』とされる人の中には精神疾患と診断されず、具体的な治療に結び付いていない人がいる恐れがある」と指摘。こうしたケースを見落とさず、適切な医療支援につなげるため、相談機関や家族に向けた新たなガイドラインを同日までに策定した。

 調査対象となった184人は社会参加を避けて6カ月以上、自宅などにとどまっている人で、岩手、埼玉、山梨、石川、和歌山の各県にある精神保健福祉センターを訪れた。薬物療法などの治療が必要と診断された49人以外の135人の内訳は、「広汎性発達障害で精神療法的なアプローチが必要」48人、「適応障害などで心理、社会的支援が必要」51人、「特定不能な精神障害」1人、「情報不足で確定診断できず」35人だった。

 新ガイドラインは、引きこもり者への支援について、当初は個人的に心を開いてもらうことからスタートし、集団療法、就労、就学へと段階的につなげていくことが大切としている。