対人関係療法と間主観性

対人関係療法は
IPT:Interpersonal psychotherapyで

interpersonalというと
intersubjectivityなどの用語が思い浮かぶだろう

検索すると例えば

間主観性

間主観性とは、後期フッサール,E.の現象学の基本概念である。世界の意味了解は、
近代的・合理的・普遍的な認識主体としての個人の主観においてなされるのでなく、
超越論的な場における他者と共同体の構成という、複数の主観の共同化による
高次の主観においてなされるとした。臨床心理学においても、サリヴァンの「与し
ながらの観察」やストロロウの「間主観的アプローチ」に端的に見られるように、
クライエントとカウンセラーとの間の共生的二者関係の基礎概念となるもの。

などという例があり
臨床心理学でもやはり
簡単に人と人との関係というだけではなく
主観と主観が間主観的関係の両末端であり
というよりも
末端とも切り分けられない
共同の主観であると考えられるわけだ

このあたりは
用語も概念も入り乱れて
ややもすると
哲学的な議論になってしまうところだ。

しかし勉強した限りでは
対人関係療法 IPT:Interpersonal psychotherapyでは
そのような難しい議論をすることは好まず
実践的な治療法に徹しているようで
平明である。

間主観的アプローチなどを読むと
確かに大切にことを書いているようであるが
そのことを確認するために
そんなに苦労する必要があるだろうかと思う

どちらかといえばむき出しの精神分析に
哲学が乗っかったような感じ
だからどうすればいいって?と聞きたくなる

あまりぱっとしたことも思いつかないから
哲学を引用してみましたというもので
それはドイツやフランスでさんざんやられていて
そちらがずっと先進国だ

むしろアメリカでは
intersubjectivityやintersubjective書いた場合でも
単純に日常的な用語でいう対人関係しか指さない場合も多く
実用的な価値から言えば
それでいいのだと思う

わたしが深く理解していないからという理由が大きいのだろうが
間主観性の実用的な価値は
学者の論文作成と
学生のレポート作成にしかないような気がする

深入りしても時間の浪費という感じがする
同じことをもっと日常的な言葉で言えるだろうと言われれば
そのように思う

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Intersubjectivity in psychoanalysis

Intersubjectivity is an important concept in modern schools of psychoanalysis, where it has found application to the theory of the interrelations between analyst and analysand. Adopting an intersubjective perspective in psychoanalysis means, above all, to give up what Robert Stolorow defines as “the myth of isolated mind.”[3]

Among the early authors who explored this conception in psychoanalysis, in an explicit or implicit way, were Heinz Kohut, Robert Stolorow, George E. Atwood, Jessica Benjamin in the United States and Silvia Montefoschi in Italy.

Since the late 1980s, a direction in psychoanalysis often referred to as relational psychoanalysis or just relational theory has developed. A central person figure in the theory is Daniel Stern [4]. Empirically, the intersubjective school is inspired by research on the non-verbal communication of infants, young children, and their parents [5][6]. A central question is how relational issues are communicated at a very fast pace in a non-verbal fashion. Scholars also stress the importance of real relationships between two equivalent partners. The journal Psychoanalytic Dialogues is devoted to relational psychoanalysis.

KohutとかStolorow、Daniel Sternは一時は花形の感じもあったが
最近ではあまり話題にならない
Beckが最重要人物になってしまった