伝統的にはこころとからだは別のカテゴリーに属すると思考される。
なぜなら、猫にも猿にも精神機能はないように見られ、進化論的に連続しているはずの人間だけに精神機能(特に自意識)が発生していると考えられるからである。脳科学が進展しているとはいえ、自意識の発生を説明できるまでには至っていない。
哲学と神学によれば、こころとからだはカテゴリーが違うもので、こころを物質の原理で説明することはできないという。
そうだとすれば、こころはどのようにして「脳→身体」系に影響を及ぼしているのか。
「病は気から」などという言葉があり、気軽に言うものだが、内容を考え始めると難問である。