テレビがさまざまなサービスやコンテンツを受け、保存するための貯蔵機となり、
かつ多目的のディスプレイになっていく。
いま一番分かり易いのは、家庭の中心にいる、Wiiだろう。
家庭の団欒の中心にテレビがあるという、最後の図ではないか。
ソニーはしばらく前から、全放送局の番組を丸ごと一週間分くらい保存する
ビデオレコーダーを発売している。
スペックがあまりにも貧弱で買っていないが、
いろいろな放送に対応すれば、便利だろう。
昔は、スポンサーから広告宣伝費をもらい、
顧客には番組を無料で提供するというビジネスモデルでよかった。
民放局も、電通もそれで高給がもらえた。
このビジネスモデルには問題がある。
情報を一方的に発信することしかできないため、
スポンサーは、CMによる費用対効果を測定することが出来ない。
もちろん、メインとなる顧客にターゲットを絞って発信するといったこともできない。
ビデオで見れば、飛ばされる。
何度もしつこく流せば頭の悪い印象が残る。
多数の人に同時に好感をもたれるコマーシャルも、次第に難しくなっている。
それだけ、人びとは多様化している。
家族内でも、意見は一致ないくらいだから。
必要なものをコマーシャルする時代ではなくなった。
スーパーやコンビニに行けば、人気商品が、棚のいい場所においてあり、
比較して選べば、決められる。
本質的な新商品が少なくなった。
蚊の季節だからとキンチョールをコマーシャルするのは、
単なる意地なのではないか。無駄である。
蚊が今年初めて発生するものなら、有効であるが。
本質的に、要らないものを売る、
これがコマーシャルである。
たとえば新発売のビール。
商品コマーシャルよりも、ヤマダ電機とか、イオンとか、店舗のコマーシャルはし易い。
安売りはいつだとか。しかし今では安売りは自分の首を絞めるだけだと思っているらしい。できれば定価で売る商売にしたいはずだろう。
テレビが家庭に入り始めた工業化社会の時代であれば、
マスメディアを利用し、マスに向けて商品の宣伝を行うというのは、
相当に効率的なマーケティング手法だった。
みんなが次に欲しいものを誘導できたし、実際同じものが欲しかった。
しかし、市場が成熟化し顧客のニーズが多様化している現在においては、
このビジネスモデルは効果がない。
むしろ、隣と違うものが欲しいのである。
ニーズの多様化の背景には、収入構造の多様化、学歴の多様化、
経験と知能の多様化が背景にある。
知能検査は旧態依然たるもので、
さいころが何個あるか数えて、何を測っているといえるのだろう。
疑問だ。
インターネットを使った広告宣伝は、顧客が実際に見たということがはっきりと数値で把握できる。インターネットは、双方向テレビなら、顧客のクリックが商品購入にどの程度結びついたかも確実にわかる。
表示する時間ではなくて、クリックの回数に応じて、
しかも、契約までこぎつけたら、さらに報酬をはずむ。
これがインセンティブというもので、合理的である。
こうして場合、必ず桜がかんでくる。
お金をもらってクリックし続ける。
あるいは、注文を入れて、すぐに解約する。
解約まできちんと追跡していればいいが、
たとえば、商品の交換とかでまたクリックして、クリック数を稼いだりもする。
思うに、パチンコ業界はどうなるのだろう。
ゲームセンターは、もうほとんどいらないと思う。
パチンコは、やはり独自の機械だから、簡単に家庭用にしてしまうことはできないのだろうか。
家庭でパチスロに熱中し、勝てばポイントが振り込まれ、負ければポイントが利息付の借金になる。
課金システムもクリアーできそうで、駅前のパチンコ屋は別の道を探した方がいいのかもしれない。
それでも、あの場所のムードが必要だというものなのだろうか。
耳が聞こえなくなるという。タバコの煙。そのすべてが混合されて、
あの怪しげな雰囲気が出来上がる。
あれは家庭用の画面を見ていても、無理だ。
台を決めるのに技があるとか。
新台のお披露目のとき、通路の端、道の角、を狙えとか。
老人用の、大きなつくりの、ゆっくりした仕組みを作って見たらいいかもしれない。
最近はパチンコの台をテレビでコマーシャルしているので、驚く。
冬のソナタの台があると聞いて、
出かける人がいるだろうと期待して、流しているのだろうか。
それとも、コマーシャルを流して、客が来るかもと思わせて、
パチンコ台開発屋が、パチンコ屋に買わせる、そのためのCMなのだろうか。
番組そのものが会社のコマーシャルになることはよくある。
NHKのスペシャル番組で、病院問題を扱えば、亀田グループの宣伝になる。
原発を特集すれば、日立のコマーシャルになる。
社長にインタビュー何て言う番組があっておもしろかったが、
そのような枠こそは会社で買いたい枠だろう。
その当時、シャープは液晶に特化し、発電パネルに特化すると語っていた。
分かりにくいけれど買っているのは、
洞爺湖ホテルの映像だろう。サミット報道のたびに参考映像として流されるだろう。
チベット問題も金額にすれば相当の露出である。
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現代では、いいにしろ悪いにしろ、有名なら金になるという原則がある。
悪口を言われて一人前、悪口も言われない人間に妬まれたりする。
悪口を言われるのも、人気の一部である。
人びとが思い浮かべるのだから、宣伝としては、成功なのだ。
いいものを見たくて金を払う人もいるし、
悪いものを見たくて金を払う人もいるものだろう。
くだらない世の中と思う。
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視聴者が選んでみる方式にするとして、
膨大なソフトをどのように整理して、並べたらいいのか、
よほど考えないといけないだろう。
一覧表があっても、なにも選べない人もたくさんいるはずだ。
こんなことなら、毎週順番に何かやってくれる方が楽でいいというタイプの人がいるはずだ。
そこにはまた新しいサービスのチャンスがある。
あなたの見たそうな映画を選んであげるサービス。
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本も、ホテルも、景色も、旅行も、結婚相手も、浮気相手も、レストランもワインも、選んであげる、それぞれに理由をつけて、そんなサービスができるだろう。
理由を考える人と喋ることが分業する。
創造性開発会社が売り込みに来て、
感じのよい話方を指導する会社が売りこみに来る。
プロならこれくらいはしなくては生き残れないと説教されて金を支払い、落ち込む。
心理カウンセラーに行くと、それは子供時代のトラウマのせいだと言われ、
完治するには一年はかかるといわれる。
そんなくらい顔ではよくならないといわれ、
ヘアーとメイクに大金を投じる。
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電通ほどの人材がいれば、何でもできる。
変化にすこし送れてついていく位でもいいだろう。
規模のメリットで、後発なのに全部取りもできるかもしれない。