こころは物質とは別の実体であるとする立場は二元論とまとめて呼ばれる。
古くからの哲学や宗教はみな二元論的である。
現在生きているわたしたちも、素朴な実感としては二元論を受け入れるだろう。
心の働きが単に物質の複雑な相互作用の「結果」でしかないとしたら、わたしたちは何のために生きているのだろう。(それにもちゃんと唯物論的な答えはあるが)
二元論にもたとえば平行説(parallelism)、随伴現象説(epiphenomenalism)、相互作用説(interactionism)などがある。
いずれも、こころを「実体」とするのだが、それが何か、提示できない。
たとえば、磁力というものは、存在するが提示するのは簡単ではない。電波は存在するが、素朴な実感からは感覚出来ない。手で触れないからといって、実在を否定するのも間違いだ。