D型パーソナリティー

ニューヨーク(ロイターヘルス)‐D型パーソナリティー、つまり様々な負の感情を抱いていても、拒否または反対を恐れて他人にそれらの感情を伝えないタイプの慢性心不全(CHF)患者は、その疾患の自己管理がうまくできないことにより予後不良のリスクがあると、研究結果が示している。

「D型の患者は症状を経験し、その症状を心配するにもかかわらず医者や看護師の診察を受けないという矛盾がある」と主研究者であるTilburg University(オランダ)のDr. Angelique A. Schifferはロイターヘルスに語った。

研究者らがjournal Heart誌7月号に掲載した報告によると、80歳以下のCHF外来患者178名のうち、D型パーソナリティー・スケール(DS14)を基に同パーソナリティーであると判定された患者は、非D型患者らと比較してより多くの心臓症状を経験し(オッズ比6.4)、これらを心配な症状とみなす頻度が高い(オッズ比2.9)。

さらに、D型CHF患者は、非D型患者とは対照的に、心臓症状がエスカレートした場合に医療支援を求める可能性が2.7倍低い。

「我々の研究結果は、D型パーソナリティーが、臨床的に明らかなCHF症状とそれに関連する高レベルの健康不安があるにもかかわらず、医師または看護師への相談を遅らせるリスク因子であることを指摘している」とDr. Schifferは述べた。

DS14はD型パーソナリティーを判定するための簡単なツールで、臨床診療においても「受診行動障害」リスクのある患者の特定に応用可能である」とDr. Schifferは述べ、「患者らは3~5分でDS14を記入できる」と続けた。

D型CHFの患者は「自己管理を改善するための特別な注意とカウンセリングが提供されるべきで、それにより入院回数が減る可能性がある」とDr. Schifferは結論付けた。研究者らは、自己管理行動、ヘルスケアの利用および予後におけるパーソナリティー因子の役割に関する更なる研究が必要であると述べた。