ポパー

科学哲学で、ある命題が有意味であるためには反証可能性が必要である、科学理論だというならば、反証可能性を提示すべきだという、まことに正しい論理を提示した哲学者である。昼ご飯の時間には一人でリンツのチョコレートを食べていたと伝え聞く。
ポッパーは晩年になり、三世界の理論を提示した。第一世界は物質主義的唯物論の世界。第二世界は人間の意識の世界。第三世界は図書館のように人間の精神が作り出し、蓄積されてゆく世界。この第三世界も物理主義的唯物論に還元できない領域であると主張する。
さすがになかなかの説得力である。エックルズとの共著の中で論を展開している。翻訳あり。
かれは未来の予言不可能性について一言している。未来の予言の中には予言たるその言葉も含まれることになる。するとそこから無限背進が始まる。従って、未来の予言は原理的に不可能である。