経済状況2008前半

ここ数年回復基調とアナウンスされ、
そんなはずはないなあと思いつつ聞いていたものだが、
国内景気も、すでに曲がり角を過ぎ、「沈む日本」が本格化。
「さらば! 豊かな国日本」。

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まったくみごとに急降下している。

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なるほど、難しい位置にいる。

ユーロ高の影響が本格的に表れるのは、むしろこれかららしい。つまり、もっと悪くなる。

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本当にきれいに、元の木阿弥である。

150→100とすれば、2/3のものしか買えない。

1980年代は、エレクトロニクスの製造業の時代。ここで日本は強かった。
しばらくその強さの蓄えで食べていけた。

世界は1990年代から、金融・IT中心に移行、ここで日本が乗り遅れた。
パソコンはNECが日本独自規格で売っていた。世界のどこでも買ってもらえない。
NECとMSDOSとロータスと一太郎という時代だった。
NECと一太郎は国内しか向いていなかった。
携帯は日本独自の発達をしてしまい、世界市場で人気がない。
三菱は携帯撤退を発表した。

産業構造の転換により製造業の比重が下がると、
自国通貨高は産業のダメージとならなくなる。
むしろ自国通貨高が国内市場の購買力を高めることが、
内需産業にとっては追い風となる。
つまり、安い原材料を買って、ブランドマークを付けて、売る。
たとえば、サムスンから仕入れて、ソニーマークで売る。
その結果、金融・ITなどの知識集約型産業がさらに発達するという好循環となる。
これが先進国における産業構造高度化のシナリオである。
ソニー銀行が大成功していたら、それでよかった。

現状で、トヨタ、ソニー、キャノンには、円高が邪魔になる。
円高で、損益分岐点を超えてしまったと、政府関係者が発言していた。

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ホンダで見るとこんな感じ。

内需は頭打ち。

産業構造が転換していれば、円高は悪くないはずで、
金融、ITで儲けたお金で、
中進国の製造業産物を買って、豊かな暮らしができるはずだ。

ところが、実際日本は貧乏なので、
「普通」のものが買えなくて、中国の格安品を、
毒を承知で買っていたというわけだ。

問題が発覚して、処置をしたものの、すでにコンテナにつまっている輸入品が、
東京港、横浜港、神戸港に存在し、
送り返すにも金がかかるし、
どうしたものか、苦慮しているらしい。

結局、輸出用製造業に頼っている構造が残存し、
先日までは、回復基調と伝えられていた。

国民の生活実感は、どんどん貧しくなっているとの感想で、
両者には乖離があった。

実際、国民全般は円安で貧しくなり、
輸出製造業は円安で儲けていた。
それを総合して、回復基調といっていたらしい。
しかしもうそれは古いモデルで、「ちょんまげ」のようなものだ。

円高局面になると、輸出製造業はだめになるが、
国民生活は一息つけるはずであるが、
実際は、ドル安円高であって、
ユーロはそれ自体がまだ高い。
原油と小麦のこともあり、諸物価は値上がり。
しかし給料は上がらない。
ローンが楽になるようなインフレも、ない。

輸出がだめなら、内需であるが、日本の内需産業はかなり厳しい。
貧しいクラスが多く、かつ老人が多く、誰も何も買わない。
無理矢理に新しいテレビを買わされている。
高い携帯代金を支払っている。

サブプライムショックと言われているが、
日本でも、石原銀行は、見込みのない中小業者に、かなりでたらめに貸し出して、
損失をふくらませた。

株は下がる一方で、
金があれば仕入れ時だが、
元の金がない。

いつまでも「ちょんまげ」がとれないのだから、仕方がないのだろう。

織物→鉄→エレクトロニクスまではうまくいったのに、
どうしてそこで止まっているのだろう。