老いは

老いは体の各所で感じている
尿が近くなる
口臭が耐え難くなる、自分でさえも
皮膚のシミが気になる
老眼もあれば
舌も敏感さがなくなって塩やソースをたくさん使う

そんな中で脳だって老化しているはずで
同じ歌をいつまでも歌っているのだった
繰り返すことに飽きない

なんということだろう
唯一の自分らしさがこのようななし崩しに失われてゆく

なすすべなし

しかしそのことを真剣に恐怖したのは先日までで
恐怖する感性が老化していて
いまはさして感じていないのだ