電子手帳で健康管理

電子手帳で健康管理を 岩手県遠野市が仮運用

岩手県遠野市は1日、パソコンや携帯電話を通じて、授乳回数や自分の体重、血圧などの健康データを市のサーバーコンピューターに蓄積でき、データに基づいて、保健師や医師らからアドバイスを受けられる「すこやか電子手帳」の仮運用を始めた。

総務省による情報通信技術のモデル事業で、同省は「医師などに相談できる機能は、地方の医師不足対策の一助となるのではないか」(地域通信振興課)とし、過疎地や農山村を抱える自治体が希望する場合は導入を支援する考え。

すこやか電子手帳は、現行の母子手帳の機能を電子化する「親子電子手帳」など4タイプで、仮運用中の「親子」は2007年度中に運用を本格化。08年度以降に「子育て」「健康増進」「長寿」の年代別の手帳も順次、本格運用する。

親子電子手帳は、妊娠期から就学前が対象。保護者がパソコンや携帯電話から市のホームページを通じてアクセス。乳児のミルクの回数や量などの情報を電子ファイル上で管理できるほか、夜泣きなど育児の悩みを入力すると、保健師が医療機関と相談し、アドバイスを電子手帳に書き込む。

健康増進電子手帳は、19―64歳が対象。自分で測った血圧や体重、食事、飲酒や喫煙の量などを入力することで体調維持に役立てられるほか、データを基に保健師や医師から、高血圧症や高脂血症への対応を含めた生活指導を電子手帳に受けられる。

遠野市情報推進課の畑山透(はたやま・とおる)副主幹は「市が07年12月に開設した助産院ともデータの連携をさせたい」と、電子手帳を軸に市民の健康づくりを進める考えを強調した。

(記事提供:共同通信社)