平行説(parallelism)

平行説は途方もない説で、「なぜかは知らないが、物質としての脳の振る舞いと、精神としての心の振る舞いは完全に一致していて、矛盾がない」というのだ。こう考えればもちろん矛盾はないのだが、何も考えていないし、説明していない。せめてもうすこしうまくだまして欲しい。
ポケットに入っていた女性の丸い名刺が、「なぜかは知らないが偶然入っていたんだ」と妻に言い訳するようなものだ。こんな説に名前が付いて残っていることすら信じがたい。
しかしこれが人間の思索の歴史である。直視しよう。