世間が反対する二人とは、つまり、
今はいいだろうけれど、
長い時間がたてば、きっと破綻する二人ということで、
そうした世間の予言は大体が当たる。
それは世間が客観的条件をよく吟味しているからで、
主観的になっているのは当人たちだけなのだ。
そして時間がたてば、
まるで唯物主義の法則のように、
下部構造は上部構造を規定する。
世間の人に見えていた客観的条件が、
次第に二人の愛と言う上部構造を侵食しつくす。
そんなことは分かりきったことだ。
それでもなお、挑戦を続ける二人はいつもいて、
いつも、おおむね、負け続けている。
まず、落ち着け。
客観的条件、物質的条件、下部構造を、再度吟味して、
それらに対して、いかにして抵抗するか、戦略を定めよ。
あるいは、現実を徹底的に無視して、
二人の愛の世界に立てこもる決意を、
いつまで持続するか、心を決めよ。
愛と現実はいつも対立する。
現実に対して現実的に対処するか。
愛の超越的な力で飛び越すか、二つに一つである。
人類として進歩したいのなら、
飛び越してみせよう。