スティグリッツ

スティグリッツは2001年にノーベル経済学賞を受賞。1943年生まれ。
もと世界銀行副総裁。

朝日新聞で語る。

金融界、モーゲージ業者に責任があり、
格付け会社は共犯者。

背景にあるのが、規制緩和と企業優遇策、自由市場経済。

FRBにも責任があるが、
戦争と金持ち優遇減税で経済が弱体化した。

我々は危機を大恐慌に添加させないための知識と政策手段を持っている。
(おお、この人に任せたい!)

「トリクルダウンtrickle-down theory」金持ちや企業が富めば、そこからしたたり落ちた富で
全体が潤うという考え方
(金持ちや企業がどれだけ金を使うかといえば、現実には限度がある。
実際に使うのではなく、金融に使うことになる。それで今回の金融バブルになったわけだ。
ということは、トリクルダウンは起こっていないのだ。)
(理論的には利己的利益追求が結局社会全体に利益をもたらすとするもの。そのもとをたどると神の見えざる手の理論で、個々人の利益追求は結局社会全体の利益にかなうという、資本家にとって、都合のいい考え方。この延長にリバタリアンがある。)

企業を助けるだけで働く人を助けようと思っていない
(だから企業が助かれば働く人だって助かるじゃないですか)

ウォール街の特殊利益を優先する企業温情主義が正しい政策を阻んでいる。

米国政府がまずなすべきは、
ローン返済に行き詰まった人が担保の住宅を失うのを防いだり、
失業者を支援することだ。
(したいけれど、どうすればいいのだろう。共産主義ではないのだし。)

この危機をきっかけに、新自由主義は終わりを迎えなければならないと思う。
規制緩和と自由化が経済的効率をもたらすという見解は行き詰まった。
ベルリンの壁崩壊で、共産主義が欠陥のある思想であると誰もが理解したように、
新自由主義と市場原理主義は欠陥のある思想であることを、ほとんどの人々が理解した。
私の研究はすでにそれを説明してきたが、今回は経験によって示されたことになる。
基軸通貨としてのドルと、米国の役割も、やがて終わっていくことは明らかだ。
(ほとんどの人の中に、私は含まれないらしい。理解していないから。
共産主義と新自由主義と市場原理主義はいずれも欠陥のある制度だと思うが、それは前から知っていた。
今回初めて知ったのは、こうした陰謀めいた動きに対して個人が後手に回るだけで
結果として財産を簡単にむしり取られること、そしてそれは実にあっけなく行われるということだ。)

結局のところ、特定の通貨に依存しない多角的でグローバルな準備通貨システム、
すなわち『グローバル紙幣』が必要とされているのだ。
それは各国通貨のバスケット方式であり、IMFのSDR(特別引き出し権)を恒久化したようなものだ。
ケインズが44年のブレトンウッズ会議でドルやポンドの代わりに主張した国際通貨『バンコール』の現代版でもある。
同時に、IMFに代わる国際機関を創立することも必要だろう。
新たなブレトンウッズ会議を開催すべきときなのだ。
(世界紙幣!いいことだ。どうせ未来にはそうなるのだから、
いささかどさくさ紛れではあるがやってしまえばいいと思う。
大恐慌になってもいいのかと言えば、みんな黙るだろう。)

日本の役割も重要であり、できる限り力強い経済成長を実現することが求められる。
(おやおや、やはりそう思っているのか?
日本は周りの人にも地球にも子孫にも迷惑をかけない生き方を
求めているんですが。)
(みんなが5%で成長しておあいこという資本主義の世界で、
5%以下でやりくりしているのだから、
相対的に負け続けているのだが、
それでいいと日本人は思っている。)
(結局、社会主義的要素をもっと混ぜろといっているように思う。だめだと思うけれど。
それはそれで毒がきついのだから。おわかりのように。)